問 題
下図は心臓の洞房結節の活動電位波形である。これに関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
- 交感神経の興奮により静止膜電位が低下し、心拍数が変化する。
- 4相での変化は、Na+チャネルの開口による細胞内へのNa+流入に起因する。
- 0相での変化は、L型Ca2+チャネルの開口による細胞内へのCa2+流入に起因する。
- 3相での変化は、K+チャネルの開口による細胞外へのK+流出に起因する。
- 3相での変化が、心室筋の弛緩を起こす。
正解.3, 4
解 説
洞房結節なので、Ca2+、及び K+ のみが電位の変化に関与することが特徴です。
洞房結節とは、心臓のペースメーカーの機能を担う部分です。ここの興奮を心臓の鼓動周期の開始として「洞房結節の興奮 → 心房部の収縮 → 房室結節への刺激の集合 → 心室部の収縮」という流れで、リズミカルな収縮が行われます。以上をふまえ、各選択肢を検討します。
選択肢 1 ですが
交感神経の興奮で、心臓の鼓動が速くなります。もしも静止膜電位が低下すると洞房結節の興奮が遅くなります。従って、選択肢 1 は誤りであると考えられます。
選択肢 2 ですが
Na+ は関与しません。よって、選択肢 2 は誤りです。
選択肢 3,4 は、正しい選択肢です。
選択肢 5 ですが
洞房結節の興奮後おきるのは、心房部の収縮です。従って、選択肢 5 は誤りです。
以上より、正解は 3,4 です。
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