国家公務員総合職(化学・生物・薬学)H26年 問86解説

 問 題     

血糖に関する次の記述のうち最も妥当なのはどれか。

1. 下垂体前葉の摂食中枢に存在するグルコース感受性ニューロンは、血糖値の上昇を感知し、オ
レキシンなどのペプチドの放出促進に関与する。
2. GLP-1 (glucagon-like peptide-1) は、食事に含まれる糖の刺激により小腸から分泌され、膵
臓からのインスリンの分泌を促進する。
3. コルチゾールは、皮下脂肪組織に働いて、脂肪の蓄積を促進し、血糖値を低下させる。
4. 成長ホルモンは、骨格筋に働き、血糖の取込みを促進することによって、血糖値を低下させる。
5. 血糖値が異常に上昇すると、腎臓の近位尿細管において、グルコースが血液から尿細管へ分泌
されるようになるため、尿中にグルコースが排泄されるようになる。

 

 

 

 

 

正解.2

 解 説     

選択肢 1 ですが
摂食中枢は「視床下部」の外側野です。「下垂体前葉」ではありません。よって、選択肢 1 は誤りです。

選択肢 2 は妥当な記述です。

選択肢 3 ですが
コルチゾールは血糖値を「上昇」させます。「低下」ではありません。よって、選択肢 3 は誤りです。

選択肢 4 ですが
成長ホルモンは脂肪分解、血糖値上昇といった作用を示します。血糖値低下ではありません。よって、選択肢 4 は誤りです。

選択肢 5 ですが
血糖値が上昇すると、近位尿細管における再吸収量の限度を超えるため、再吸収しきれなかった糖が排出されます。「グルコースが尿細管へ分泌されるようになるため」ではありません。よって、選択肢 5 は誤りです。

以上より、正解は 2 です。

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