国家公務員総合職(化学・生物・薬学)H26年 問7解説

 問 題     

ATP に関する記述 ㋐ ~ ㋓ のうちから妥当なもののみを全て選び出しているのはどれか。

㋐ ATP の構造は、である。
㋑ ATP はDNA ポリメラーゼの基質になる。
㋒ ATP はADP にリン酸基が付加するというエネルギー的に起こりにくい反応により合成
される。
㋓ ATP は生体内におけるエネルギー運搬体として様々なエネルギー代謝に関与している。

1. ㋐、㋑
2. ㋐、㋒
3. ㋐、㋓
4. ㋑、㋓
5. ㋒、㋓

 

 

 

 

 

正解.5

 解 説     

記述 ㋐ ですが、塩基部分(右上部分)が明らかに異なります。ATP の塩基部分は「アデニン」です。アデニン、グアニンはプリン骨格です。環が2つくっついている構造でなければいけません。よって、記述 ㋐ は誤りです。

記述 ㋑ ですが、DNA ポリメラーゼの基質は「dATP , dGTP , dCTP , dTTP」です。例えば dATP は、㋐の構造の塩基部分がアデニンで、リボース部分の右下の OH がとれたものです。ATP は、エネルギー源として用いられます。

記述 ㋒、㋓ は妥当な記述です。ATP はエネルギー通貨とも呼ばれ、様々なエネルギー代謝に関与しています。

以上より、正解は 5 です。

コメント