問 題
72歳男性。通院困難なため在宅医療を受けている。医師の訪問時に男性の家族より、夜になると咳が止まらなくなり本人が眠れていないことが伝えられた。診察の結果、次の薬剤が処方され、薬剤師が在宅にて対応することとなった。
問318
3日後、薬剤師が訪問したところ、家族から症状も改善されず痰もつまっていると報告を受けた。薬剤師が医師に対して行う提案として適切なのはどれか。2つ選べ。
- アジスロマイシン錠を2日間処方延長する。
- アジスロマイシン錠をクラリスロマイシン錠に変更する。
- L-カルボシステイン錠を追加する。
- レバミピド錠を追加する。
- ツロブテロール経皮吸収型テープを追加する。
問319
当該患者に対して、保険薬局の保険薬剤師が医療保険で行う訪問薬剤管理指導に関する記述のうち、適切なのはどれか。2つ選べ。
- 訪問薬剤管理指導を行う場合、保険薬局は都道府県知事の許可を受ける必要がある。
- 当該患者が介護認定を受けている場合でも、原則として医療保険が優先される。
- 訪問薬剤管理指導は、医師の指示に基づいて行う。
- 薬学的管理指導計画は、訪問前に策定する。
- 訪問薬剤管理指導を行うにあたり、患者と薬局との契約書の作成が必要である。
正解．
問318：3, 5
問319：3, 4
解 説
問318
アジスロマイシン（ジスロマック）→マクロライド系。３日間服用で 1 週間効果持続。テオフィリン→気管支ぜん息薬。キサンチン誘導体。気管支が広がって楽になる薬。
※尿道炎、子宮頸管炎以外について、アジスロマイシンで治療を開始し、４日目以降で臨床症状が不変 or 悪化の時は、医師の判断で適切な薬剤へ変更する
選択肢 1 ですが
ジスロマックの効果は継続しているため、処方延長しても意味はないと考えられます。
選択肢 2 ですが
アジスロマイシン→クラリスロマイシンでは、作用機序が同じであり変更の意図が明確でなく不適切であると考えられます。
選択肢 3 は、適切な記述です。
去痰により症状の改善を図る提案です。
選択肢 4 ですが
レバミピド（ムコスタ）は、胃炎・胃潰瘍治療薬です。咳への提案として適切ではありません。よって、選択肢 4 は誤りです。
選択肢 5 は、適切な記述です。
ツロブテロールにより気管支拡張することで症状の改善を図る提案です。
以上より、正解は 3,5 です。
問319
選択肢 1 ですが
訪問薬剤管理指導を行う場合、地方厚生局への届出が必要です。県知事の許可は必要ありません。よって、選択肢 1 は誤りです。
選択肢 2 ですが
介護認定を受けている場合、介護保険が優先されます。よって、選択肢 2 は誤りです。
選択肢 3,4 は、正しい記述です。
選択肢 5 ですが
契約書が必要ではありません。必須ではないのですが、同意の上で契約を結んでいることを客観的に示すことができるように契約書を作成することが多くなっています。よって、選択肢 5 は誤りです。
以上より、正解は 3,4 です。
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