日本薬局方収載の重量分析法

重量分析法とは、分析対象物の重量を測定し目的物質の量を知る分析法です。日本薬局方収載の重量分析法は、大きく3つに分類されます。すなわち、揮発重量法、抽出重量法、沈殿重量法です。

揮発重量法とは、乾燥させたり強熱させたりした後に重量を測定する方法です。乾燥させると、水分や揮発性物質の分だけ質量が減ります。強熱させると、構成成分も失われます。(※有機物の場合、完全に揮発。混在していた無機物が残ります。)

乾燥や強熱による重量差を測定するか、揮発したものを吸収剤を用いて測定するかによって、減量法と吸収法に分類されます。ちなみに、元の質量と関係なく、乾燥や強熱後の残った成分の量を測定する方法は残分法と呼ばれます。代表例は、サリチルアミドの減量試験です。乾燥減量法で 0.5% 以下と規定されています。

抽出重量法とは、抽出してから溶媒を除去し分析対象物の重量を測定する方法です。代表例は
フェニトインナトリウムの定量法です。エーテルを用いて抽出した後、重量を測定します。

沈殿重量法とは、沈殿剤を加えて目的物質を沈殿させ、乾燥などの処理を行なって秤量形(重さを測る状態)としてから秤量する方法のことです。代表例は、硫酸カリウムの定量です。塩化バリウム(沈殿剤)を用いて硫酸バリウム(秤量形)として秤量します。

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