問 題
45歳女性。4年前、2型糖尿病と診断され、グリメピリド錠とボグリボース錠による薬物治療を開始した。最近の検査の結果より、主治医は以下の薬剤を追加した。患者はその処方箋を薬局に持参した。
問216
追加されたイプラグリフロジンは、Na+/グルコース共輸送体(SGLT)のうち、SGLT2の選択的阻害薬である。SGLT及びグルコース輸送体(GLUT)によるグルコース輸送に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
- SGLT2は、主に消化管におけるグルコースの吸収に関与する。
- 細胞膜にあるGLUTによるグルコースの輸送は、グルコースの濃度勾配に従う。
- SGLT2は、Na+の濃度勾配を利用してグルコースを輸送する。
- GLUTは、グルコースと同様にマルトースを輸送する。
- 血液中のグルコースは、尿細管においてSGLT2によって原尿中に分泌される。
問217
SGLT2選択的阻害薬の副作用として誤っているのはどれか。1つ選べ。
- 低血糖
- 尿路感染症
- 脱水
- 血圧上昇
- 体重減少
正解.
問216:2, 3
問217:解なし
解 説
問216
SGLT(sodium glucose cotransporter) は、Na+/グルコース共輸送体です。代表的二次性能動輸送担体です。SGLT2 は腎臓の近位尿細管に局在しています。グルコースの再吸収の大部分を担っています。グルコースの再吸収を妨げることで、尿中に糖を排出してしまう というのがSGLT2阻害薬の作用機序です。
一方、GLUT(glucose transporter)は、促進拡散でグルコースを輸送します。以上をふまえ、各選択肢を検討します。
選択肢 1 ですが
消化管ではなく、腎臓における再吸収です。よって、選択肢 1 は誤りです。
選択肢 2,3 は、正しい記述です。
選択肢 4 ですが
マルトースは輸送しません。よって、選択肢 4 は誤りです。
選択肢 5 ですが
尿細管において、グルコースは再吸収されます。よって、選択肢 5 は誤りです。
以上より、問216 の正解は 2,3 です。
問217
解なしのため、解説もなし。
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