要因・対照研究とは、ある要因に暴露した集団と暴露していない集団を一定期間追跡することにより、ある疾病にかかる率に差が出るかどうかを調べる研究です。前向き研究の一種です。特徴として、追跡するための予算や手間が、症例対照研究と比較するとはるかにかかるという特徴があります。
例としては、現在肺がんにかかっておらず、喫煙歴がある人と、現在肺がんにかかっておらず、喫煙歴がない人を 100人ずつ集め、今から 10 年以内に肺がんにかかる人の率を比較するという研究があげられます。
結果が上図のようになったとします。
この時、相対危険度(相対リスク)という指標を用いて、要因と疾病の関連の強さを表現します。強さが強いほどこの要因により疾病がおきやすいことを示します。
又、寄与危険度という指標を用いて、要因と疾病の関連の大きさを表します。大きさが大きいほど、実際に集団に与える影響が大きいといえ、公衆衛生対策上の意味合いを示す指標となります。
相対危険度(相対リスク)は「暴露群の発生率÷非暴露群の発生率」で求めることができます。今回の例では、共に計100人なので (30/100)÷(15/100)=0.3÷0.15=2です。
寄与危険度は「暴露群の発生率-非暴露群の発生率」です。今回の例では、0.3-0.15=0.15 です。実際には、疾病にかかる率はかなり低いものになることが多いため、人口10万人に対して何人かという指標を用いることが多いです。
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