糖新生とは
グルコース補給不足の環境において、肝臓のグリコーゲン貯蔵もなくなった時などに、乳酸、アミノ酸、オキサロ酢酸といった「糖質以外」からグルコースを合成することです。糖新生は主に肝臓、及び肝臓より少ないですが腎臓で行われます。
糖新生の経路は、基本的には解糖系の逆経路です。解糖系において3つの不可逆反応がありますが、糖新生においてこの経路については迂回経路を経て進行する という点が重要なポイントです。
迂回路について、もう少し詳しく説明します。
特に重要な迂回路が、ピルビン酸から、ホスホエノールピルビン酸への変換です。この経路は、細かく見ると、4段階の反応です。
まず、ピルビン酸は ATP を用いてオキサロ酢酸に変換されます。イメージとしては、オキサロ酢酸とは活性化されたピルビン酸です。そのまま逆反応は進行しないため、ATP で活性化させたと考えるとイメージしやすいと思います。
次に、オキサロ酢酸は、リンゴ酸に変換された上で『リンゴ酸-アスパラギン酸シャトル』により、ミトコンドリア内部から細胞質へと移動します。そして細胞質で、リンゴ酸はオキサロ酢酸に姿を戻します。
最後に、オキサロ酢酸が、ホスホエノールピルビン酸へと変換されます。
ピルビン酸から、ホスホエノールピルビン酸への変換をまとめると
『ピルビン酸
→ オキサロ酢酸
→ リンゴ酸(ミトコンドリア内の反応)、
リンゴ酸
→ オキサロ酢酸
→ ホスホエノールピルビン酸(細胞質内の反応) 』となります。
その後は、ホスホエノールピルビン酸から、解糖系の逆向きに物質の変換が進んでいくのですが
フルクトース 1,6 ビスリン酸 → フルクトース 6 リン酸 及び グルコース 6 リン酸 → グルコース の変換は、解糖系と別の経路で(別の酵素によって)進行します。
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