酵素反応、拮抗阻害、非拮抗阻害

酵素反応とは、酵素が触媒するような反応のことです。酵素を E、基質を S 、基質-酵素複合体をES、生成物を P として、以下の式で表されます。

E+S⇄ES→E+P

反応速度を v とした時、酵素反応は以下の式(=ミカエリス・メンテン式)で表されます。

ミカエリス定数は「最大反応速度 Vmax の半分の速度になる時の基質濃度」を表しています。別の解釈としては、ミカエリス定数 Km は、酵素の基質親和性を表すと考えることができます。すなわち、Km が小さければ、基質濃度が低くても酵素と結合して反応するということなので、これをいいかえると酵素と基質はとても結合しやすいといえるということです。

下図がイメージです。

ミカエリス・メンテン式において、両辺の逆数をとって整理すると

となります。

これを、ラインウェーバー・バークプロット(Lineweaver-Burk)と呼びます。別名、二重逆数プロットとも呼ばれます。横軸に 1/S ,縦軸に 1/V をとったラインウェーバー・バークプロットをプロットすることにより、酵素反応の詳細な分析を行うことができます。

例えば、HIV の逆転写酵素とその基質である DNA の反応速度をまずプロットしたとします。次に逆転写酵素阻害剤をその系に加えた時の反応速度を改めてプロットしたとします。

この時、阻害剤の阻害様式が拮抗阻害(競合阻害)、すなわち酵素の同じ活性中心で DNA も阻害剤も反応する時は、ラインウェーバー・バークプロットが 参考図 左 のようになります。(点線が、阻害剤なしの場合です。)

一方、阻害剤の阻害様式が非拮抗阻害(非競合阻害)、すなわち酵素の違う部分において DNA 及び阻害剤が反応する時は、ラインウェーバー・バークプロットが 参考図 右 のようになります。

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