問 題
44歳女性。処方薬だけでは頭痛が十分に抑えきれないと訴え、一般用医薬品のロキソプロフェンナトリウムを購入するために薬局を訪れた。
本人に確認すると、片頭痛がひどく、ロキソプロフェンナトリウムは3ヶ月前からほぼ毎日、処方薬は1年前から月に20回程度服用しているとのことである。お薬手帳から処方薬はスマトリプタン錠50mgであることがわかった。
問296
この患者に対する薬局の薬剤師の対応として適切なのはどれか。1つ選べ。
- スマトリプタン錠50mgは片頭痛の予防薬なので毎日定時に服用しているか確認した。
- スマトリプタン錠50mgの効果が不十分な場合、ロキソプロフェンナトリウムは服用せずに、スマトリプタン錠を1時間間隔で服用するように指導した。
- 一般用医薬品のロキソプロフェンナトリウム錠の含量は、医療用より少ないので、増量が可能であると説明した。
- ロキソプロフェンナトリウムの販売を控え、処方医に相談するよう指導した。
- スマトリプタン錠50mgの服用を中止して、ロキソプロフェンナトリウムだけにするように指導した。
問297
片頭痛に関する記述のうち誤っているのはどれか。1つ選べ。
- 一次性頭痛に分類される。
- 日常生活動作によって痛みが増悪することが多い。
- 随伴症状として、光・音・臭過敏、悪心・嘔吐を伴うことが多い。
- 入浴によって痛みが増悪することが多い。
- 発症は、男性に多い。
正解.
問296:4
問297:5
解 説
問296
ほんとに、こういう人、たまーに出会います。即座に、処方医に相談するよう、受診勧告です。
以上より、正解は 4 です。
選択肢 1 ですが
スマトリプタンは、トリプタン系片頭痛です。症状が現れた初期段階で服用するのが効果的です。予防としての効用は、ありません。よって、選択肢 1 は誤りです。
選択肢 2 ですが
効果が不十分の時は、2時間以上あけて追加投与することができます。1時間間隔では、間隔が短すぎます。よって、選択肢 2 は誤りです。
選択肢 3 ですが
ロキソプロフェン(ロキソニン)は、一般用、医療用共に含量は同じです。よって、選択肢 3 は誤りです。
選択肢 4 は、正しい選択肢です。
選択肢 5 ですが
スマトリプタンとロキソプロフェンを併用して頭痛が収まっていないのにロキソプロフェンだけにするとより片頭痛がひどくなると考えられます。よって、選択肢 5 は誤りです。
片頭痛薬は、特に人によって合う、合わないがはっきりしている薬のようです。そのため、症状がうまくコントロールできない場合は他の薬にした方がよいというケースも、少なくありません。よりよい方法を求めて医師と相談すべきケースであると考えられます。このようなケースに対して適切な受診勧告を行うことができないと、自分の判断による増量など危険な薬の使用につながりかねないため注意が必要です。
問297
片頭痛は、女性に多い疾患です。
以上より、正解は 5 です。
その他の選択肢は、全て正しい選択肢です。ちなみに一次性頭痛とは、基礎疾患のない頭痛のことです。
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