薬剤師国家試験 第99回 問228-229 過去問解説

 問 題     

39歳男性。勤務先の健康診断で少し血圧が高いことを指摘され、内科を受診した。医師からは、運動療法と食事療法を勧められ、薬物治療は特に行う必要はないと言われたが、特定保健用食品を使用したいということで、薬局を訪れて薬剤師に相談した。

問228

この男性に勧める特定保健用食品の関与成分として適切なのはどれか。1つ選べ。

  1. 難消化性デキストリン
  2. キシリトール
  3. 大豆イソフラボン
  4. キトサン
  5. ラクトトリペプチド

問229

特定保健用食品に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。

  1. 疾病リスク低減表示が認められているものがある。
  2. 特別用途食品には含まれない。
  3. 個別許可型や規格基準型がある。
  4. 錠剤やカプセルの形態は認められていない。
  5. 厚生労働大臣が表示の許可を行う。

 

 

 

 

 

正解.
問228:5
問229:1, 3

 解 説     

問228

選択肢 1 ですが
難消化性デキストリンは、食後血糖の上昇抑制作用などが認められています。血圧には効果が認められておらず、不適切と考えられます。

選択肢 2 ですが
キシリトールは、虫歯予防に効果があることが認められています。血圧には効果が認められておらず、不適切と考えられます。

選択肢 3 ですが
大豆イソフラボンは、骨の健康に役立つことが認められています。血圧には効果が認められておらず、不適切と考えられます。

選択肢 4 ですが
キトサンは、コレステロールを下げる効果が認められています。血圧には効果が認められておらず、不適切と考えられます。

選択肢 5 ですが
ラクトトリペプチドは、血圧を下げる効果が認められています。本患者には、適切と考えられます。

以上より、正解は 5 です。

問229

選択肢 1 は、正しい記述です。
実際に認められているものとしては「若い女性のカルシウム摂取と将来の骨粗鬆症になるリスクの関係」などがあります。

選択肢 2 ですが
特別用途食品とは、厚生労働省が認可したさまざまな食品のことです。特定保健用食品(トクホ)も特別用途食品の分類に、入ります。よって、選択肢 2 は誤りです。

選択肢 3 は、正しい記述です。
個別許可型のトクホとは、消費者庁及び食品安全委員会の審査を経て個別に許可された食品です。規格基準型のトクホとは、既に基準が定められており、その基準をクリアしたという適否が審査された食品です。

選択肢 4 ですが
錠剤やカプセルの形態も、認められています。よって、選択肢 4 は誤りです。

選択肢 5 ですが
表示の許可を行うのは、消費者庁です。厚生労働大臣では、ありません。(厚生労働大臣ではなくて、厚生労働省ではないかと考えた人もいるかもしれません。H 21 年 9 月より厚生労働省が行っていた表示等に関する業務が消費者庁へと移管されている、とのことです。)よって、選択肢 5 は誤りです。

以上より、正解は 1,3 です。

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