問 題
66歳男性。労作性狭心症のため2週間前にカテーテル治療(Percutaneous coronary intervention,PCI)を受けステントを挿入された。その後退院し、外来受診となった。
本日の検査結果
LDL-コレステロール 122mg/dL、HDL-コレステロール 53mg/dL、トリグリセリド 110mg/dL、空腹時血糖 90mg/dL、HbA1c(JDS)値 5.6%、HbA1c(NGSP)値 6.0%。
本症例に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
- 脂質検査はすべて正常であり、アトルバスタチンカルシウム水和物の投与を中止する。
- 血糖はコントロール不良なので、経口糖尿病用薬の追加が必要である。
- クロピドグレル硫酸塩の血小板凝集抑制作用は、CYP2C19遺伝子多型により変動する。
- アスピリンによる消化性潰瘍の副作用に注意が必要である。
- 抗血小板薬の併用の必要はない。
正解.3, 4
解 説
選択肢 1 ですが
脂質検査の値は、おおむね正常範囲内です。(LDL 140 以上は、高い、HDL 40 以下は、少ない、中性脂肪 150 以上は、高い)しかしそれは、スタチンによりコントロールされている状態で服薬は継続すべきです。値が下がりすぎている、といった状況ではないため投与中止は適切ではないと考えられます。よって、選択肢 1 は誤りです。
選択肢 2 ですが
血糖は、よくコントロールされています。(空腹時血糖 100 を超えると高め、HbA1c 6.5 %(NGSP値(0.4 % 高い方)超えると高め)よって、選択肢 2 は誤りです。
選択肢 3,4 は、正しい選択肢です。
選択肢 5 ですが
抗血小板薬は、心筋梗塞のリスクを下げるために必要があると考えられます。よって、選択肢 5 は誤りです。
以上より、正解は 3,4 です。
※ 検査値の基準については試験時 2014.3 月の基準を参考にしました。
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