問 題
薬物の経口吸収動態についての記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
- インドメタシンファルネシルは、高脂肪食を摂取した後に服用すると、脂肪成分と結合するため、吸収量が減少する。
- リファンピシンの反復投与により、小腸上皮細胞のP-糖タンパク質の発現が誘導され、ジゴキシンの吸収量が増大する。
- リボフラビンは、十二指腸付近のトランスポーターにより吸収されるので、プロパンテリン臭化物の併用により吸収量が増大する。
- セファレキシンの吸収は、ペプチドトランスポーターPEPT1を介したNa+との共輸送により行われる。
- グリセオフルビンは、その粒子径が小さいほど有効表面積が大きく、溶解が速いため、吸収速度が大きい。
正解.3, 5
解 説
選択肢 1 ですが
インドメタシンファルネシル(インフリー)は、高脂肪食摂取後服用で作用が増大します。これは、薬剤が脂肪とミセルを形成することで吸収が増大するからです。吸収量が減少するわけでは、ありません。よって、選択肢 1 は誤りです。
選択肢 2 ですが
小腸上皮細胞の P -糖タンパク質(P-gp)は、薬物を小腸側へと排出するトランスポータです。P-gp の発現が誘導によって増加するとジゴキシンの吸収量は、減少します。吸収量が増大するわけでは、ありません。よって、選択肢 2 は誤りです。
選択肢 3 は、正しい記述です。
選択肢 4 ですが
ペプチドトランスポーター PEPT 1 は、H+ 濃度勾配を駆動力とする二次性能動輸送体です。Na+ との共輸送ではありません。よって、選択肢 4 は誤りです。
選択肢 5 は、正しい記述です。
以上より、正解は 3,5 です。
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