薬剤師国家試験 第99回 問161 過去問解説

 問 題     

糖尿病治療薬に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。

  1. ミグリトールは、α-グルコシダーゼ阻害作用とα-アミラーゼ阻害作用により食後高血糖を抑制する。
  2. グリベンクラミドは、血糖依存的にインスリン分泌を促進する。
  3. ピオグリタゾンは、アディポネクチンの産生を高め、インスリン抵抗性を改善する。
  4. メトホルミンは、AMP依存性プロテインキナーゼを抑制することにより、肝臓での糖新生を抑制する。
  5. ミチグリニドは、スルホニル尿素(SU)構造を持たないが、膵β細胞のSU受容体に結合する。

 

 

 

 

 

正解.3, 5

 解 説     

選択肢 1 ですが
ミグリトール(セイブル)は、α-グルコシダーゼ阻害薬(α-GI)です。特徴として、α-アミラーゼ阻害作用はありません。よって、選択肢 1 は誤りです。

ちなみに、α-アミラーゼ阻害作用がある α-GI は、アカルボース(グルコバイ)です。α-アミラーゼが阻害されると、でんぷんが未分解のまま大腸に到達し、放屁などの消化器症状の原因となります。

選択肢 2 ですが
グリベンクラミドは、SU 薬です。血糖非依存的 血糖降下薬です。よって、選択肢 2 は誤りです。ちなみに、血糖依存的な糖尿病治療薬としては、インクレチン関連薬(シダクリプチン(ジャヌビア)など)があります。

選択肢 3 は、正しい記述です。

選択肢 4 ですが
メトホルミンは、AMP 依存性プロテインキナーゼ系をを活性化させます。抑制では、ありません。よって、選択肢 4 は誤りです。

選択肢 5 は、正しい記述です。

以上より、正解は 3,5 です。

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