問 題
下表は、喫煙と疾病罹患の要因対照研究の結果を示したものである。この結果に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。ただし、交絡因子、喫煙中断者、追跡不能者はないものと仮定する。
- 相対危険度が最も高い疾病は慢性気管支炎である。
- 寄与危険度が最も高い疾病は虚血性心疾患である。
- オッズ比が最も高い疾病は肝硬変である。
- 喫煙と疾病罹患の関連性が最も強い疾病は肺がんである。
- 喫煙をやめると、罹患しなくなると想定される人数が最も多い疾病は肺がんである。
正解.2, 4
解 説
選択肢 1 ですが
相対危険度とは「”暴露群の発生率” ÷ ”非暴露群の発生率”」 です。慢性気管支炎の相対危険度は 153/10000 ÷ 85/10000 ≒ 2 です。一方、肺がんの相対危険度を同様に計算すると、大体 4弱です。相対危険度が最も高い疾病は慢性気管支炎では、ありません。よって、選択肢 1 は、誤りです。
選択肢 2 は、正しい記述です。
ちなみに、寄与危険度とは「”暴露群の発生率” - ”非暴露群の発生率”」です。
選択肢 3 ですが
肺がん あり なし
暴露あり 414 , 9586
暴露なし 115 , 9885
となるので、オッズ比は 414×9885/9586×115 大体4弱。以下、同様に見ていくと、肺がんがオッズ比が一番高くなります。よって、選択肢 3 は誤りです。
選択肢 4 は、正しい記述です。
ちなみに、関連性が最も強い、というのは相対危険度が最も高いという意味です。
選択肢 5 ですが
喫煙をやめると、罹患する人数が減る、というのは寄与危険度が最も大きいという意味です。すると、虚血性心疾患が一番多いので選択肢 5 は、誤りです。
以上より、正解は 2,4 です。
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