問 題
骨格筋、心筋及び平滑筋に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
- 骨格筋の収縮には、ムスカリン性アセチルコリン受容体が関与する。
- 心筋細胞では、細胞外からのCa2+流入は、細胞質のCa2+濃度の上昇に関与しない。
- 平滑筋は、細胞内cAMP濃度が上昇すると弛緩する。
- 骨格筋、心筋及び平滑筋の収縮は、いずれも運動神経によって調節されている。
- クレアチンリン酸は、骨格筋においてATPの供給源となる。
正解.3, 5
解 説
選択肢 1 ですが
骨格筋を支配するのは交感神経です。交感神経と骨格筋の間の神経伝達物質は、アドレナリン 及び ノルアドレナリン です。これらの受容体は、ムスカリン受容体ではありません。よって、選択肢 1 は誤りです。
※ ちなみに、 例外として 汗腺を支配する交感神経末端では、アセチルコリンが伝達物質 → 受容体はムスカリン受容体です。
選択肢 2 ですが
心筋細胞では、細胞外からカルシウムイオンが流入すると、細胞の中の小胞体と呼ばれる場所から細胞質に向かって、カルシウムをドパッと放出します。(これを Ca 誘発性 Ca 放出:Calcium-induced calcium release = CICR と言います。)つまり、細胞外からの Ca2+ 流入は、細胞質の Ca2+ 濃度の上昇に関与する、といえます。よって、選択肢 2 は誤りです。
選択肢 3 はその通りの記述です。
選択肢 4 ですが
骨格筋は、運動神経により支配されます。平滑筋や心筋の収縮は、自律神経により支配されます。つまり、いずれも運動神経によって調節されているわけではありません。よって、選択肢 4 は誤りです。
選択肢 5 はその通りの記述です。
以上より、正解は 3,5 です。
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