問 題
薬剤師が病棟で抗生物質注射薬を溶解しようとしたところ、バイアル内にガラス片様の異物が混入しているのを発見し、当該製品の製造販売業者に通報した。
問322
この通報が当該医薬品の製造販売業者の品質保証責任者に伝えられた。その場合の品質保証責任者の対応として、正しいのはどれか。2つ選べ。
- 通報を受けたのち、薬事監視員の指示を待って、品質管理業務手順書を作成した。
- 品質不良のおそれが判明した段階で、速やかに総括製造販売責任者に報告した。
- 品質不良が判明したので、自らの判断で当該製品の回収措置を決定した。
- 回収した製品を直ちに廃棄せず、区分して一定期間保管した。
問323
医療機関で用いられる医薬品の回収(リコール)情報を入手した際の薬剤師の対応として、適切なのはどれか。2つ選べ。
- 「医薬品の安全使用のための業務に関する手順書」に従い、該当する医薬品を速やかに回収した。
- 回収情報の第一報を、医薬品医療機器情報配信サービス(PMDAメディナビ)の電子メールで知ったので、製造販売会社に連絡をとり詳細情報を確認した。
- 回収対象の製品がクラスⅠに該当していたため、そのまま使用してもまず健康被害の原因になるとは考えられないと判断した。
- 回収対象の製品は健康被害を引き起こす可能性があると考え、薬剤師の判断で同種同効の他の医薬品に変更し調剤した。
正解.
問322:2, 4
問323:1, 2
解 説
問322
品質管理業務手順書は、医薬品の製造販売業者が医薬品の市場への出荷の管理から、回収処理などに関しての手順に関して、品質管理業務を適正かつ円滑に実施するために作成するものです。よって、通報を受けたのちに作成するものではありません。すでにあるべきものです。選択肢 1 は誤りです。
選択肢 2 はその通りの記述です。
品質管理責任者は、自らの判断で当該製品の回収措置を決定するのは不適切です。実際には、情報の入手・分析→回収の必要性の判断→回収の決定という流れになり、回収の決定を実際に下すのは、統括製造販売責任者です。選択肢 3 は誤りです。
選択肢 4 は、その通りの記述です。
以上より、正解は 2,4 です。
問323
選択肢 1,2 は適切な記述です。
回収のクラス I とは、その製品の使用等が、重篤な健康被害又は死亡の原因となりうる状況ということです。よって、選択肢 3 は誤りです。
薬剤師の判断で、他の医薬品に変更して調剤することはできません。医師と相談を行い、回収に関する情報を共有し、これからどうするかを話し合うのが適切な対応であると考えられます。選択肢 4 は誤りです。
以上より、正解は 1,2 です。
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