薬剤師国家試験 第98回 問278-279 過去問解説

 問 題     

75歳男性。血糖コントロール不良で入院した。眼底検査のために眼科を受診したところ、眼圧上昇が認められたので、以下の薬剤が処方された。

問278

ベッドサイドで今回の処方に対する服薬指導を行う前に、カルテ等から調べておく患者情報として、優先度の高いのはどれか。2つ選べ。

  1. HbA1c
  2. 低密度リポタンパク質コレステロール(LDL-C)値
  3. 気管支ぜん息の既往歴
  4. 高尿酸血症の既往歴
  5. 心疾患の既往歴

問279

チモプトールXE点眼液には、以下の添加物が用いられている。

添加物:ジェランガム、トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン、ベンゾドデシニウム臭化物、D-マンニトール

この点眼剤が持続性を示す機構として、正しいのはどれか。1つ選べ。

  1. 涙液中のナトリウムイオンと反応しゲル化するため。
  2. 薬物と添加物が不溶性の複合体を形成しているため。
  3. 薬物が徐放性微粒子に内封されているため。
  4. 薬物がo/w型エマルションの油層に保持されているため。
  5. 高分子を結合させたプロドラッグであるため。

 

 

 

 

 

正解.
問278:3, 5
問279:1

 解 説     

問278

チモプトールは、β遮断作用があり、気管支喘息、又はその既往歴のある患者に禁忌です。又、コントロール不十分な心不全などの心疾患も、症状を憎悪させるおそれがあるため禁忌です。よって、気管支ぜん息及び心疾患の既往歴について、優先度の高い情報として調べておくべきであると考えられます。

以上より、正解は 3,5 です。

問279

チモプトール XE は、涙液中のイオンにより角膜上でゲル化することにより、持続性を示します。ゲル化する目薬なので、複数の点眼液を利用する時は、最後に点眼するよう指導します。ゲル化剤は、ジェランガムです。

以上より、正解は 1 です。

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