問 題
グラフは、ある放出制御型製剤についての溶出試験を下に示す条件で実施した結果である。このグラフから推察される製剤的な特徴に関する記述のうち、適切なのはどれか。1つ選べ。
ただし、薬物の溶解度はpHによって変化しないものとする。
溶出試験の条件
試験サンプル:放出制御型製剤 1錠
試験装置:溶出試験法 第2法(パドル法)
試験温度:37℃
試験液:0分~120分 - 溶出試験第1液(pH1.2)
120分~180分 - 溶出試験第2液(pH6.8)
- 腸溶性製剤からの薬物溶出で、pHに依存して溶出量が変化している。
- 不溶性マトリックス型製剤からの薬物溶出で、マトリックス中の拡散が薬物溶出の律速となっている。
- 侵食(エロージョン)型製剤からの薬物溶出で、水溶性マトリックスの溶解もしくは浸潤に伴って薬物が溶出する。
- リザーバー型製剤からの薬物溶出で、水溶性成分からなる錠剤を被覆している不溶性高分子膜を介して薬物が溶出する。
- 浸透圧ポンプ型製剤からの薬物溶出で、錠剤内への水の侵入に伴って薬物が溶出する。
正解.2
解 説
時間の平方根に比例していることから、この製剤はマトリックス型であると推測することができます。よって、正解は 2 です。
ちなみに、マトリックス型製剤において、薬物の放出量と、時間の間に成り立つ関係式はHiguchi の式です。以下の式になります。
一般に、「固体」の薬物がマトリックス全体に分散している時ははるかに溶解度よりも A が大きい、すなわち A>>Cs なので、近似した以下の式が用いられます。
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