問 題
消化器系疾患治療薬に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
- ラモセトロンは、セロトニン5-HT3受容体の刺激により、下痢型過敏性腸症候群の症状を改善する。
- アトロピンは、Oddi括約筋のれん縮を抑制する目的で、急性膵炎の疼痛の治療時にモルヒネと併用される。
- モサプリドは、消化管のドパミンD2受容体の遮断により、アセチルコリンの遊離を増大させ、消化管運動を促進する。
- ラクツロースは、腸内で乳酸菌により分解されて有機酸を遊離し、アンモニア産生菌の生育を抑制する。
正解.2, 4
解 説
ラモセトロン(イリボー)は、5-HT3 受容体遮断作用を示します。それにより、男性における下痢型過敏性腸症候群の症状を改善します。(臨床試験において、性差があり、女性に便秘の副作用が強くでるなど有効性の点から男性限定となっています。→追記:2015に、女性への適用追加あり。)よって、受容体の刺激ではありません。選択肢 1 は誤りです。
選択肢 2 はその通りの記述です。
モサプリド(ガスモチン)は、5-HT4 受容体アゴニストです。受容体を刺激し、アセチルコリンの遊離の増大を介して消化管運動促進作用を示します。よって、D2 受容体の遮断ではありません。選択肢 3 は誤りです。
選択肢 4 はその通りの記述です。
以上より、正解は 2,4 です。
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