薬剤師国家試験 第97回 問298-299 過去問解説

 問 題     

72歳女性。胃潰瘍で通院中の消化器内科より、血圧150/68mmHgのため循環器内科の受診を勧められた。自覚症状は特にない。

【身体所見】
身長 162cm、体重 65kg、脈拍 75/分 整

【血液検査】
血中尿素窒素(BUN) 28mg/dL、血清クレアチニン(Scr) 1.0mg/dL、Na 136mEq/L、K 3.6mEq/L、Cl 101mEq/L

問298

下記の記述のうち、誤っているのはどれか。2つ選べ。

  1. 本態性高血圧と2次性高血圧の発症頻度はほぼ同じである。
  2. 仮面高血圧とは医療機関での血圧測定値は正常であるが、自宅での測定値が高値のものをいう。
  3. 収縮期血圧140mmHg以上又は拡張期血圧90mmHg以上で心血管疾患の発症率は高くなる。
  4. 血管の性状を観察するためには、眼底検査が有用である。
  5. 腎障害などの合併症を持つ患者は、臓器灌流圧を保つため、合併症のない患者ほど降圧しない。

問299

この患者は、循環器内科の受診後、以下の処方により治療中である。

服薬指導中に錠剤が喉につかえやすいとの訴えがあった。上記の処方で、錠剤の粉砕が可能なものはどれか。2つ選べ。

  1. ニフェジピン徐放錠20mg
  2. トリクロルメチアジド錠1mg
  3. オメプラゾール腸溶錠20mg
  4. アルジオキサ錠100mg

 

 

 

 

 

正解.
問298:1, 5
問299:2, 4

 解 説     

問298

本態性高血圧は、高血圧の大部分(90%以上)を占めます。よって、選択肢 1 は誤りです。

選択肢 2 ~ 4 はその通りの記述です。

腎障害などの合併症を持つ患者は、合併症のない患者よりも、より降圧を行います。よって、選択肢 5 は誤りです。

以上より、正解は 1,5 です。

問299

ニフェジピンは、血中濃度が高くなり頭痛などの副作用が発現しやすくなる可能性があるため粉砕してはいけません。

又、オメプラゾール腸溶錠は、コーティングが剥がれてしまうため、粉砕してはいけません。

以上より、正解は 2,4 です。

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