問 題
61歳女性。気管支ぜん息で以下の薬剤が処方された。
問250
この患者に対する薬剤師の服薬指導として、正しいのはどれか。2つ選べ。
- 処方1及び2について、吸入療法の手技を定期的に確認した。
- 処方1について、気管支ぜん息の症状が軽減したらすぐに休薬するよう指導した。
- 処方1について、発作の状況により自己判断で吸入回数を調節するよう指導した。
- 処方1について、吸入後は副作用防止のために必ずうがいをするよう指導した。
- 処方2について、副作用を防止するために、息苦しい程度では使用しないよう指導した。
問251
処方1及び処方2に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
- フルチカゾンプロピオン酸エステルは、トロンボキサンA2受容体を遮断し、気道過敏性を抑制する。
- フルチカゾンプロピオン酸エステルは、サイトカインの産生抑制作用や好酸球の浸潤抑制作用により気道の炎症を抑制する。
- プロカテロールは、アドレナリンβ2受容体を刺激し、気管支平滑筋を弛緩させる。
- プロカテロールは、ホスホジエステラーゼを阻害してサイクリックAMP(cAMP)濃度を高め、気管支平滑筋を弛緩させる。
正解.
問250:1, 4
問251:2, 3
解 説
問250
吸入薬の服薬指導においては、定期的に吸入手技を確認し、適切な薬の使用ができているかを確認します。
フルチカゾンプロピオン酸エステルドライパウダーインヘラー(フルタイド)は、吸入ステロイド喘息治療薬です。予防に用いられるため、症状の無い時にも、毎日規則正しく使用することが望まれます。よって、選択肢 2,3 は誤りです。
吸入後に、口腔内カンジダや嗄声の予防のため、かならずうがいをするよう指導する必要があります。
プロカテロール塩酸塩水和物エアゾール(メプチンエアー)は、β2 受容体刺激薬です。気管支を拡張させることで、呼吸をラクにしてくれる薬です。発作がでた時にすぐ使う薬です。がまんをする必要はありません。よって、選択肢 5 は誤りです。
以上より、正解は 1,4 です。
問251
フルチカゾンプロピオン酸エステルは、吸入ステロイド喘息治療薬です。糖質コルチコイド受容体に特異的に作用して、サイトカインの産生抑制作用や好酸球の浸潤抑制作用により気道の炎症を抑制します。
プロカテロールは、β2 刺激薬です。気管支平滑筋を弛緩させ、気道をひろげます。
以上より、正解は 2,3 です。
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