問 題
「化学物質の審査及び製造等の規制に関する法律(化審法)」(平成21年改正)に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
- 対象となる化学物質の中には、環境中で分解されやすいものも含まれる。
- ポリ塩化ジベンゾ-p-ジオキシン(PCDD)は、第一種特定化学物質に指定されている。
- 監視化学物質の設定は、化学物質の環境への放出量を把握することを目的としている。
- 第二種特定化学物質は、高蓄積性を有し、ヒトへの長期毒性又は高次捕食動物への毒性を有する。
- 優先的に安全性評価を行う必要がある化学物質として、優先評価化学物質が設定されている。
正解.1, 5
解 説
選択肢 1 はその通りの記述です。
化審法の対象となる物質の中には、難分解性でなくても対象となる化学物質が含まれます。一定数量以上の化学物質の製造・輸入を行った事業者に対して、分解性によらず報告が求められ、規制の対象となっています。
PCDD とは、ダイオキシン類の一種です。ダイオキシンは、化審法の規制対象となりません。つまり PCDD は、第一種特定化学物質には指定されていません。よって、選択肢 2 は誤りです。
監視化学物質とは、難分解性・高蓄積性があり、人や環境へのリスクがはっきりと十分低いとはいえない物質です。こういった物質を監視化学物質に指定し、取扱状況の報告を要求したり、有害性の調査を指示させ、毒性があると判明したら第一種特定化学物質へと指定することを目的としています。よって、環境への放出量の把握が目的ではないので、選択肢 3 は誤りです。
第二種特定化学物資とは、高濃縮性は有さないが、難分解性で、人や生活環境動植物への長期毒性を持つ化学物質のことです。よって、高蓄積性を有するという表現は、微妙な表現です。又、高次捕食動物への毒性ではなく、生活環境動植物への長期毒性を有する化学物質のことです。よって、選択肢 4 は誤りです。
選択肢 5 はその通りの記述です。
以上より、正解は 1,5 です。
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