問 題
酵素に関する記述のうち、誤っているのはどれか。1つ選べ。
- 酵素は、反応に必要な活性化エネルギーを低下させ、反応速度を増加させる。
- ミカエリス(Michaelis)定数が小さいほど、基質と酵素との親和性が高い。
- 最適pHとは、酵素活性が最大になる反応系のpHのことである。
- 酵素は、競合阻害剤と不可逆的に結合して活性が阻害される。
- 酵素活性に必須の因子(補因子)の中には、酵素と共有結合しているものがある。
正解.4
解 説
選択肢 1 はその通りの記述です。
酵素は、反応の遷移状態を安定化することにより、反応に必要な活性化エネルギーを低下させます。
選択肢 2 はその通りの記述です。
ミカエリス定数とは、反応の最大速度を Vmax とした時に、その半分の速度になる時の基質濃度のことです。ミカエリス定数が小さいということは、基質濃度を濃くしていった時にあっという間に最大速度の半分に到達するということです。つまり、基質と酵素の親和性が高く、反応がどんどん触媒されているといえます。
選択肢 3 はその通りの記述です。
酵素活性は、pHや温度に大きく影響をうけます。最適 pH とは、酵素活性が最大になる反応系のpH のことです。
競合阻害剤は、基質と競合的に酵素に結合するような物質のことです。よって、不可逆的に結合するわけではないので、選択肢 4 は誤りです。
選択肢 5 はその通りの記述です。
共有結合しているような補因子もあり、代表例はシトクロムにおけるヘムです。※ヘモグロビンにおけるヘムは、非共有結合です。
以上より、正解は 4 です。
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