問 題
低分子量の薬物分析を行う際の試料の前処理に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
- 水溶液中の目的物質を有機層に抽出するための有機溶媒として、ジエチルエーテルや1-ブタノールなどが用いられる。
- 水溶液中の目的物質がカルボン酸であれば、水溶液をアルカリ性にすると有機溶媒で抽出されやすくなる。
- 水溶液中のタンパク質を不溶化し除去するために添加する有機溶媒として、アセトニトリルやメタノールなどが用いられる。
- 水溶液中のタンパク質を不溶化し除去するために添加する酸として、塩酸、硝酸が適している。
正解.1, 3
解 説
水溶液中の目的物質がカルボン酸であれば、アルカリ性にすると酸塩基反応により、RーCOOー となるため極性が増加し、水相へと移行するため有機溶媒で抽出されにくくなります。よって、選択肢 2 は誤りです。
又、タンパク質を不溶化し除去するために、タンパク質を変性させて沈殿させる方法がとられます。このために酸や有機溶媒を加えます。加える酸として代表的なものは、過塩素酸、トリクロロ酢酸、メタリン酸などです。加える有機溶媒として代表的なものは、アセトン、アセトニトリル、メタノール、エタノールなどです。よって、選択肢 3 は正しく、選択肢 4 が誤りです。
以上より、正解は 1,3 です。
コメント