薬剤師国家試験 第110回 問339 過去問解説

 問 題     

院内において、病棟で使用するネブライザーの消毒用の次亜塩素酸ナトリウムの調製を薬剤部で行い、払い出すこととなった。

次亜塩素酸ナトリウム濃度 6 % の消毒薬を購入し、0.01 % (100 ppm) に調製して 1 L のボトルで払い出すこととした。このとき、原液 ( ア ) に水を加え全量を ( イ ) とし、この液 ( ウ ) を採取し、これに水を加えて全量を 1 L とした。

容量の組合せとして正しいのはどれか。1 つ選べ。

  •  ア    イ    ウ
  1. 50mL  1L     100mL
  2. 30mL  300mL  50mL
  3. 10mL  200mL  10mL
  4. 5mL    300mL  100mL
  5. 5mL    1.5L    50mL

 

 

 

 

 

正解.4

 解 説     

ネブライザーは、薬を霧状にして直接気管支に届けるための器具です。
イメージは以下の通りです。

本問は、濃度 6% の原液 を 0.01% (100ppm) 1L に薄める流れを求める計算問題です。選択肢を無視して考えると、まず 6 倍に薄めることで 濃度 1% になります。そしてさらに 100 倍に薄めれば濃度 0.01% です。これをふまえ、選択肢を検討します。


選択肢 1 ですが

原液 50 mL + 水 → 全量 1L は「20 倍希釈」です。その後「100 mL 採取 + 水 → 全量 1 L」は「10 倍希釈」です。200 倍希釈なので 0.03% になります。0.01 % ではないため、選択肢 1 は誤りです。


選択肢 2 ですが

原液 30 mL + 水 → 全量 300mL は「10 倍希釈」です。その後「50 mL 採取 + 水 → 全量 1 L」は「20 倍希釈」です。200 倍希釈なので 0.03% になります。0.01 % ではないため、選択肢 2 は誤りです。


選択肢 3 ですが

原液 10 mL + 水 → 全量 200mL は「20 倍希釈」です。その後「10 mL 採取 + 水 → 全量 1 L」は「100 倍希釈」です。2000 倍希釈なので 0.003% になります。0.01 % ではないため、選択肢 3 は誤りです。


選択肢 4 は妥当です。

原液 5 mL + 水 → 全量 300mL は「60 倍希釈」です。その後「100 mL 採取 + 水 → 全量 1 L」は「10 倍希釈」です。600 倍希釈なので 0.01% になります。


選択肢 5 ですが

原液 5 mL + 水 → 全量 1L は「200 倍希釈」です。その後「50 mL 採取 + 水 → 全量 1 L」は「20 倍希釈」です。4000 倍希釈なので 0.0015% になります。0.01 % ではないため、選択肢 1 は誤りです。


以上より、正解は 4 です。

類題 103-331
https://yaku-tik.com/yakugaku/103-331/

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