問 題
薬剤性過敏症症候群に関する記述として、正しいのはどれか。2 つ選べ。
- 重症型の呼吸器障害である。
- 原因医薬品として、抗てんかん薬や高尿酸血症治療薬がある。
- 原因医薬品の服用直後に発症することが多い。
- 初期症状として、発熱や紅斑がみられる。
- 発症時には原因薬を増量し、経過を観察する。
正解.2, 4
解 説
薬剤性過敏症症候群 (drug-induced hypersensitivity syndrome、DIHS) は、発熱や多臓器障害を伴う重症薬疹のひとつです。抗けいれん薬など比較的限られた薬剤で誘発され、投与後遅発性に生じます。特徴は、ヒトヘルペスウイルス 6 に代表されるヘルペスウイルスの再活性化を伴う点です。
選択肢 1 ですが
薬剤性過敏症症候群は重症薬疹のひとつです。「呼吸器障害」ではありません。選択肢 1 は誤りです。
選択肢 2 は妥当です。
抗けいれん薬などの比較的限られた薬剤が、原因医薬品として知られています。
選択肢 3 ですが
原因薬投与後、遅発性に生じるという特徴があります。「服用直後に発症することが多い」わけではありません。選択肢 3 は誤りです。
選択肢 4 は妥当です。
初期症状は、発熱や紅斑です。
選択肢 5 ですが
発症時には原因薬を中止します。原因薬中止数日後にしばしば発熱、顔面の浮腫、発疹などの増悪といった、臨床症状悪化が見られることは留意すべきです。「発症時には原因薬を増量」ではありません。選択肢 5 は誤りです。
以上より、正解は 2,4 です。

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