問 題
日本薬局方一般試験法に関する記述として、正しいのはどれか。2 つ選べ。
- 製剤均一性試験法において、医薬品の有効成分含量が 5 mg で、有効成分濃度が 2.5 % の素錠には、質量偏差試験が適用できる。
- 溶出試験法には、パドルオーバーディスク法、シリンダー法及び縦型拡散セル法がある。
- カールフィッシャー法は、試料のオスモル濃度を凝固点降下法を用いて測定する方法である。
- エンドトキシン試験法は、ライセート試薬を用いてグラム陰性菌由来のエンドトキシンを検出又は定量する試験法である。
- 注射剤の採取容量試験法は、表示量よりやや過剰に採取できる量が容器に充填されていることを確認する試験法である。
解 説
選択肢 1 ですが
質量偏差試験を行うことができるのは「有効成分濃度が均一である」という仮定を適用できる製剤になります。具体的には、成分が完全に溶解した液を、カプセルに封入した製剤などです。
本問の素錠は、有効成分含量 5 mg、濃度が 2.5% ということなので、錠剤全体は 200mg です。その中に 5 mg しかないのであれば、バラツキが大きそうな印象を受けるのではないでしょうか。含量均一性試験法が妥当と考えられます。選択肢 1 は誤りです。
ちなみにですが
硬カプセル、素錠又はフィルムコーティング錠、有効成分含量 25 mg 以上、かつ製剤中の有効成分の割合が質量比で 25 % 以上であれば、質量偏差試験を適用できます。
選択肢 2 ですが
溶出試験法は、規定時間内に試験液中に溶け出す有効成分の量を測定する方法です。溶出試験法は、大きく3つに分類されます。すなわち、回転バスケット法、パドル法、フロースルーセル法です。選択肢 2 は誤りです。
ちなみに、パドルオーバーディスク法、シリンダー法及び縦型拡散セル法は「皮膚に適用する製剤の放出試験法」です。
選択肢 3 ですが
カールフィッシャー法は水分の測定方法です。「試料のオスモル濃度」の測定方法ではありません。選択肢 3 は誤りです。
ちなみに、反応式は以下の通りです。
H20+I2+SO2+CH3OH+3RN → 2RN・HI+RN・HSO4CH3
選択肢 4,5 は妥当です。
エンドトキシン試験、及び 注射剤の採取容量試験法についての記述です。
以上より、正解は 4,5 です。
類題 108-181
https://yaku-tik.com/yakugaku/108-181/
類題 105-183
https://yaku-tik.com/yakugaku/105-183/

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