薬剤師国家試験 第110回 問159 過去問解説

 問 題     

抗血小板薬に関する記述として、正しいのはどれか。2 つ選べ。

  1. シロスタゾールは、ADP P2Y12 受容体を遮断することで、血小板内サイクリック AMP (cAMP) 濃度を増加させる。
  2. オザグレルは、アデノシン A2 受容体を遮断することで、血小板内 Ca2濃度の上昇を抑制する。
  3. ベラプロストは、プロスタノイド IP 受容体を刺激することで、血小板内 cAMP 濃度を増加させる。
  4. サルポグレラートは、セロトニン 5 – HT2 受容体を遮断することで、血小板内 Ca2濃度の上昇を抑制する。
  5. プラスグレルは、ホスホジエステラーゼⅢ (PDE Ⅲ) を阻害することで、血小板内 cAMP 濃度を増加させる。

 

 

 

 

 

正解.3, 4

 解 説     

選択肢 1 ですが
シロスタゾールは、ホスホジエステラーゼ阻害により作用する抗血小板薬です。ADP P2Y12 受容体の遮断はチクロピジン、クロピドグレル、プラスグレル、チカグレロル等が該当します。選択肢 1 は誤りです。


選択肢 2 ですが
オザグレルは、トロンボキサン (TX:thromboxane) 合成酵素阻害薬です。アデノシン A2 受容体遮断ではありません。選択肢 2 は誤りです。


選択肢 3 は妥当です。
プロスタグランジン I2 誘導体製剤であるベラプロストについての記述です。


選択肢 4 は妥当です。
サルポグレラートは、5 – HT2 遮断薬です。


選択肢 5 ですが
プラスグレルは、ADP P2Y12 受容体遮断薬です。ホスホジエステラーゼⅢ阻害ではありません。選択肢 5 は誤りです。


以上より、正解は 3,4 です。

類題 109-31
https://yaku-tik.com/yakugaku/109-031/

類題 108-33
https://yaku-tik.com/yakugaku/108-033/

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