薬剤師国家試験 第110回 問154 過去問解説

 問 題     

抗てんかん薬に関する記述として、正しいのはどれか。2 つ選べ。

  1. ラコサミドは、電位依存性 Naチャネルの緩徐な不活性化を促進して、神経細胞の過剰興奮を抑制する。
  2. スルチアムは、電位依存性 T 型 Ca2チャネルを遮断して、欠神発作に特徴的な棘徐波複合の発生を抑制する。
  3. スチリペントールは、シナプス小胞タンパク質 2A (SV2A) に結合して、神経伝達物質の遊離を抑制する。
  4. ビガバトリンは、γ – アミノ酪酸 (GABA) トランスアミナーゼを不可逆的に阻害して、脳内 GABA濃度を上昇させる。
  5. ルフィナミドは、グルタミン酸 AMPA 受容体を非競合的に遮断して、神経細胞における活動電位の発生を抑制する。

 

 

 

 

 

正解.1, 4

 解 説     

選択肢 1 は妥当です。
ラコサミドについての記述です。「緩徐な不活性化を促進」というキーフレーズをおさえておくとよいです。


選択肢 2 ですが
スルチアムは、炭酸脱水酵素を阻害し、神経細胞の過剰興奮を抑制します。「電位依存性 T 型 Ca2+ チャネルを遮断」ではありません。選択肢 2 は誤りです。


選択肢 3 ですが
シナプス小胞タンパク質 2A (SV2A) に結合して作用するのは「レベチラセタム」です。スチリペントールは、GABA を増強する複数の作用を有する抗てんかん薬です。選択肢 3 は誤りです。


選択肢 4 は妥当です。
ビガバトリンについての記述です。


選択肢 5 ですが
グルタミン酸 AMPA 受容体を非競合的に遮断して作用するのは、ペランパネルです。ルフィナミドの作用機序は、Na+ チャネルの関与が示唆されています。選択肢 5 は誤りです。


以上より、正解は 1,4 です。

類題 108-154
https://yaku-tik.com/yakugaku/108-154/

参考 代表的な中枢神経疾患の治療薬
https://yaku-tik.com/yakugaku/yr-2-1-4/

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