問 題
外科的手術時に用いられる薬物に関する記述として、正しいのはどれか。2 つ選べ。
- 血液/ガス分配係数の大きい吸入麻酔薬ほど、麻酔の導入は速い。
- 最小肺胞濃度 (MAC) の大きい吸入麻酔薬ほど、麻酔作用は強い。
- デクスメデトミジンは、アドレナリン α2 受容体を刺激することで、鎮痛及び鎮静作用を生じる。
- チアミラールは、γ – アミノ酪酸 GABAA 受容体のバルビツール酸結合部位に結合することで、意識消失を生じる。
- ケタミンは、ヒスタミン H1 受容体を遮断することで、不動化 (筋弛緩) を起こす。
正解.3, 4
解 説
選択肢 1 ですが
血液/ガス分配係数が小さいと、血があっという間に麻酔ガスで飽和します。麻酔導入が速いです。「血液/ガス分配係数が「大きい」ほど麻酔導入は速い」わけではありません。選択肢 1 は誤りです。
選択肢 2 ですが
最小肺胞濃度 (最小肺胞内濃度) は、対象の半数を不動化させるのに必要な肺胞内における麻酔薬の濃度です。EC50 や、LD50 の、吸入麻酔版と考えるとよいです。値が小さい方が、少量でよく効きます。「最小肺胞濃度の「大きい」吸入麻酔薬ほど、麻酔作用は強い」わけではありません。選択肢 2 は誤りです。
選択肢 3 は妥当です。
デクスメデトミジンについての記述です。
選択肢 4 は妥当です。
チアミラールについての記述です。
選択肢 5 ですが
ケタミンは、グルタミン酸 NMDA 受容体を遮断して鎮痛作用、麻酔作用を示します。「ヒスタミン H1 受容体を遮断」ではありません。選択肢 5 は誤りです。
以上より、正解は 3,4 です。
類題 107-155
https://yaku-tik.com/yakugaku/107-155/
類題 104-153
https://yaku-tik.com/yakugaku/104-153/

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