問 題
電離放射線による人体への影響及び評価基準に関する記述として、正しいのはどれか。2 つ選べ。
- 吸収線量は、物質 1 kg 当たりに、1 J のエネルギーを吸収した際に物質が受けた線量を 1 Gy と定義されている。
- 実効線量は、確定的影響のしきい値を規定するのに用いられる。
- 等価線量は、全身の被ばくの影響を評価するための指標で、各組織又は臓器当たりの吸収線量に組織加重係数を掛けて、合計して算出する。
- 等価線量を求めるのに用いられる放射線加重係数は、γ 線より α 線の方が大きい。
- 「時間」、「距離」、「遮へい」の防御の 3 原則は、内部被ばくの低減に重要である。
正解.1, 4
解 説
選択肢 1 は妥当です。
1Gy の定義についての記述です。
選択肢 2 ですが
実効線量とは、物理的な測定値ではなく、放射線による発がんと遺伝的影響を評価するために用いられる線量である。言い換えると「確率的影響」の評価に用いられます。選択肢 2 は誤りです。
選択肢 3 ですが
組織荷重係数は、各組織、臓器における放射線の影響度の指標です。これが高い方が、大きな影響を受ける組織、臓器であるということです。実効線量算出の時に用いる係数です。等価線量算出の際に用いるのは「放射線荷重係数」です。選択肢 3 は誤りです。
選択肢 4 は妥当です。
α 線の方が、放射線荷重係数は γ 線より大きくなります。
選択肢 5 ですが
内部被曝は、放射性物質が体内に取り込まれ、体内の放射性物質から放射線を受けることです。「時間」、「距離」、「遮へい」の防御の 3 原則は、「内部」ではなく「外部」被ばくの低減に重要です。選択肢 5 は誤りです。
以上より、正解は 1,4 です。
類題 106-136
https://yaku-tik.com/yakugaku/106-136/
類題 102-136
https://yaku-tik.com/yakugaku/102-136/

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