薬剤師国家試験 第110回 問134 過去問解説

 問 題     

化学物質の in vitro 遺伝毒性試験に関する記述として、正しいのはどれか。2 つ選べ。

  1. 細菌を用いる復帰突然変異試験は、試験菌株の表現型がアミノ酸非要求性に復帰することを利用する方法である。
  2. マウスリンフォーマ TK (チミジンキナーゼ) 試験は、突然変異によりコロニーが形成されなくなることを利用する方法である。
  3. 小核試験は、塩基対置換型の点突然変異を検出する方法である。
  4. コメットアッセイは、切断された DNA の電気泳動における移動度が小さくなることを利用して遺伝毒性を検出する方法である。
  5. 不定期 DNA 合成試験は、損傷した DNA の修復合成を測定する方法である。

 

 

 

 

 

正解.1, 5

 解 説     

選択肢 1 は妥当です。
チフス菌を用いる復帰突然変異試験である「Ames 試験」についての記述です。


選択肢 2 ですが

細胞が増殖されない状態が基本で、突然変異によりコロニー形成「される」ことを利用する方法が妥当と考えられます。細胞が増殖するのが基本で、いっぱいコロニーができるけど、たまに突然変異でコロニー形成されなかったとすると、結果の判別ができません。選択肢 2 は誤りです。


選択肢 3 ですが

小核試験で評価するのは化学物質の「染色体異常誘発性」です。点突然変異を検出する試験ではありません。選択肢 3 は誤りです。


選択肢 4 ですが

切断された DNA の 電気泳動による移動度は「大きくなる」と考えられます。選択肢 4 は誤りです。


選択肢 5 は妥当です。

不定期 DNA 合成試験についての記述です。


以上より、正解は 1,5 です。

類題 107-137
https://yaku-tik.com/yakugaku/107-137/

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