薬剤師国家試験 第110回 問125 過去問解説

 問 題     

この20年間の生活習慣病に関する記述として正しいのはどれか。2 つ選べ。

  1. 糖尿病の患者数は 40 歳代より急激に増加するが、そのほとんどは 1 型糖尿病である。
  2. 慢性閉塞性肺疾患 (COPD) による総死亡者数は減少傾向にある。
  3. 心疾患による粗死亡率は増加傾向にある。
  4. 脳血管疾患のうち、粗死亡率が最も高いのは、脳内出血である。
  5. 全悪性新生物死亡のうち、膵臓がんの死亡者数は男女とも増加傾向にある。

 

 

 

 

 

正解.3, 5

 解 説     

選択肢 1 ですが
「1 型」糖尿病は、インスリンの絶対的量不足による糖尿病です。多くが自己免疫による疾患です。40 歳代より急激に増加する、生活習慣病に含まれる糖尿病は「2 型」糖尿病です。選択肢 1 は誤りです。

選択肢 2 ですが
高齢化進行に伴い COPD による総死亡者数は増加傾向です。選択肢 2 は誤りです。

選択肢 3 は妥当です。
死亡率(粗死亡率)は(死亡数÷人口)× 1000 で示される指標です。

選択肢 4 ですが
脳血管疾患で死亡率が高いのは「脳梗塞」です。脳内出血ではありません。選択肢 4 は誤りです。

選択肢 5 は妥当です。
ちなみに、胃がんや肝臓がんの死亡者数は減少傾向にあります。


以上より、正解は 3,5 です。

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