薬剤師国家試験 第110回 問46 過去問解説

 問 題     

体内動態が線形 1 – コンパートメントモデルに従う薬物を経口投与した場合、最高血中濃度到達時間が短縮する要因はどれか。1 つ選べ。

  1. 投与量の減少
  2. 吸収率の上昇
  3. 分布容積の増大
  4. 吸収速度定数の上昇
  5. 消失速度定数の低下

 

 

 

 

 

正解.4

 解 説     

経口投与での 1 -コンパートメントモデルなので「吸収コンパートメント」 と「中心コンパートメント」が仮定されます。

はじめはどんどん、吸収 → 中心 へと薬物が移行します。中心からは、薬物が少しずつ体外へ排出されます。最高血中濃度に到達するのは吸収コンパートメントにおいてだんだん薬物が少なくなり、吸収側 → 中心側 へと薬物が移行する速度が、中心側 → 体外へ排出 する速度と等しくなる時です。それ以降は、中心側 → 体外へ排出 する速度の方が大きくなり血中濃度はだんだん減少していきます。

吸収速度定数 が上昇すれば、速やかに吸収コンパートメントにおいて薬物が少なくなり、最高血中濃度到達時間が短縮すると考えられます。


以上より、正解は 4 です。

類題 101 – 45
https://yaku-tik.com/yakugaku/101-045/

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