問 題
ペプチドグリカン前駆体のペンタペプチド末端の D – アラニル – D – アラニンと結合して、細菌の細胞壁合成を阻害するのはどれか。1 つ選べ。
- アミカシン
- セファゾリン
- バンコマイシン
- メロペネム
- ミカファンギン
正解.3
解 説
細胞壁合成酵素の基質である、D-アラニル-D-アラニンに結合し、細胞壁合成酵素を阻害することで、抗菌作用を示すのはグリコペプチド系です。代表例はバンコマイシンです。
選択肢 1 ですが
アミカシンは、アミノグリコシド系抗生物質です。リボソームの 30S サブユニットに結合し、タンパク合成阻害により殺菌的に作用します。アミノグリコシドといえば代表的副作用として、難聴等の第 8 神経障害も併せて覚えておきましょう。グリコペプチド系ではありません。選択肢 1 は誤りです。
選択肢 2 ですが
セファゾリンは、第一世代セフェム系抗菌薬です。セフェム系抗菌薬は、β-ラクタム系抗菌薬の一種です。β-ラクタム系抗菌薬は、細胞壁合成阻害薬です。細菌が細胞壁を合成する際に必要となるペニシリン結合タンパク質 (PBP) の働きを阻害します。グリコペプチド系ではありません。選択肢 2 は誤りです。
選択肢 3 は妥当です。
バンコマイシンは、代表的グリコペプチド系抗菌薬です。
選択肢 4 ですが
メロペネムは、カルバペネム系抗菌薬です。カルバペネム系は β-ラクタム系の一種です。細胞壁合成阻害薬です。グリコペプチド系ではありません。選択肢 4 は誤りです。
選択肢 5 ですが
ミカファンギンは、キャンディン系抗生物質です。1,3 – β-D-グルカンの合成を非競合的に阻害することにより、抗真菌作用を示します。グリコペプチド系ではありません。選択肢 5 は誤りです。
以上より、正解は 3 です。

コメント