問 題
73 歳男性。体重 72 kg。持続性心房細動及び高血圧症に対して治療中であった。自宅で階段を踏み外し、転倒したため救急搬送された。
頭部 CT 検査は異常なしであったが、右前腕部尺骨の骨折による前腕部の腫脹が認められたため、保存治療のため入院することになった。
入院時検査を行うとともに病棟薬剤師が持参薬の確認を行った。
(持参薬)
- ビソプロロールフマル酸塩錠 2.5 mg
- オルメサルタン口腔内崩壊錠 20 mg
- スピロノラクトン錠 50 mg
- ジルコニウムシクロケイ酸ナトリウム水和物懸濁用散分包 5 g
- エドキサバントシル酸塩水和物口腔内崩壊錠 60 mg
(入院時所見)
体温 36.8 ℃、血圧 128/80 mmHg、脈拍 92 拍/分
(検査値)
赤血球 453×104/μL、白血球 4,060/μL、血小板 15.4×104/μL、Hb 14.2g/dL、AST 24 IU/L、ALT 18 IU/L、総ビリルビン 0.8 mg/dL、γ-GTP 54 IU/L、LDH 248 IU/L、尿酸 6.0 mg/dL、Na 141 mEq/L、K 3.0 mEq/L、血清アルブミン 3.5 g/dL、BUN 39 mg/dL、血清クレアチニン 1.85 mg/dL、CCr 36.2 mL/min、下肢浮腫 (+)、尿蛋白 (+)
この患者の持参薬のうち、薬剤師が入院時に減量あるいは中止を提案する薬剤として、適切なのはどれか。2 つ選べ。
- ビソプロロールフマル酸塩錠
- オルメサルタン口腔内崩壊錠
- スピロノラクトン錠
- ジルコニウムシクロケイ酸ナトリウム水和物懸濁用散分包
- エドキサバントシル酸塩水和物口腔内崩壊錠
解 説
骨折の保存治療とは、ギプスなどで骨折部位を固定して安静に保ち、骨がくっつくのを末治療のことです。
検査値より
・ALT,AST 基準範囲内 → 肝機能異常なし
・K 3.0 mEq/L → 低 K
・血清アルブミン 3.5 g/dL、BUN 39 mg/dL、血清クレアチニン 1.85 mg/dL、CCr 36.2 mL/min、下肢浮腫+、尿蛋白+ → 腎機能低下
が読み取れます。
ジルコニウムシクロケイ酸ナトリウムは、高 K 血症治療薬です。現在 低 K なので、中止提案すべきです。
エドキサバンは経口投与可能な第 Xa 因子阻害薬です。腎機能に合わせた用量調節が行われる薬であり、減量の提案をすべきと考えられます。
以上より、正解は 4,5 です。
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