問 題
65 歳男性。進行非小細胞肺がんの治療のためカルボプラチン、ペメトレキセド、ベバシズマブ療法を開始することになった。
外来化学療法室の担当薬剤師は、次回来院までの間、電話での経過観察を含む服薬状況の確認を実施することにした。次の記述のうち、適切なのはどれか。2 つ選べ。
なお、補助薬として葉酸錠、ビタミン B12 注射剤及びヘパリン類似物質クリームが処方されている。
- カルボプラチン投与患者で他の白金製剤と比較して頻発する末梢神経障害を発症していないか確認する。
- ペメトレキセドの副作用を予防するために処方されている葉酸錠のアドヒアランスを確認する。
- ベバシズマブ投与後に頻発する低血圧症が起こっていないか確認する。
- 発熱、咳嗽、呼吸困難など間質性肺炎を疑う症状が起こっていないか確認する。
- 手足症候群緩和のために処方されているビタミン B12 注射剤の副作用について確認する。
正解.2, 4
解 説
選択肢 1 ですが
同じ白金製剤のシスプラチンやオキサリプラチンに比べ、カルボプラチン投与では神経障害の程度は軽く、発症頻度も低いとされています。「他の白金製剤と比較して頻発」ではありません。選択肢 1 は誤りです。
選択肢 2 は妥当です。
ペメトレキセド (アリムタ) は、複数の葉酸代謝酵素を同時に阻害することで DNA 合成を阻害します。注射剤です。副作用予防のために葉酸錠が処方されています。
選択肢 3 ですが
ベバシズマブ投与に伴い、高血圧がよくおきる副作用です。降圧薬などでコントロールします。(参考 108-342 https://yaku-tik.com/yakugaku/108-342/) 頻発する「低血圧」ではありません。選択肢 3 は誤りです。
選択肢 4 は妥当です。
がん治療薬の代表的副作用の 1 つが間質性肺炎です。
選択肢 5 ですが
手足症候群の対応には、ビタミン B6 内服等が用いられます。ビタミン B12 注射剤は、ペメトレキセドによる骨髄抑制などの軽減が目的であり、手足症候群緩和目的ではありません。選択肢 5 は誤りです。
以上より、正解は 2,4 です。
コメント