問 題
66 歳男性。身長 168 cm、体重 57 kg。10 年前からアルコール性肝炎及び無症候性脳梗塞で病院に定期通院の中、前回の診察で逆流性食道炎と診断され、ファモチジンが処方された。前回より 1 ケ月経過した今回の受診時においても、逆流性食道炎の症状が続いていた。
以下に、直近の処方並びに前回、今回の検査結果及び患者からの聞き取り内容を示す。
(聞き取り内容)
- 手足のむくみについては、自覚していますが悪化したとは思いません。
- 気がついたら青あざが出来ていました。
検査値並びに聞き取り内容に基づくこの患者の最近 1 ケ月間に関する担当薬剤師のアセスメントとして最も適切なのはどれか。1 つ選べ。
- ファモチジンによる血小板減少が疑われる。
- ウルソデオキシコール酸による肝機能改善が認められる。
- チクロピジンによる汎血球減少が疑われる。
- ニフェジピンは CCr に基づいて 10 mg に減量すべきである。
- バルサルタンによる横紋筋融解症が疑われる。
解 説
この 1 ヶ月で大きな変化が見られるのが赤血球、血小板です。
選択肢 1 は妥当です。
検査値に加え、気がついたら青あざが出来ていた という聞き取りにも対応します。ファモチジンの服薬中止 及び 逆流性食道炎に関して代替薬を提案すべき症例と考えられます。
選択肢 2 ですが
AST、ALT にわずかな減少が見られますが「気がついたら青あざが出来ていた」という聞き取り内容との関連性がありません。選択肢 2 は不適切と考えられます。
選択肢 3 ですが
「汎血球減少」であれば、白血球数ももう少し減少が見られるはずではないかと思われます。また、チクロピジンは 10 年前の脳梗塞以降ずっと服用していたと考えられるため、最近 1 ヶ月間に関するアセスメントとしては不適切です。選択肢 3 は不適切です。
選択肢 4 ですが
ニフェジピンといえば、CYP 3A4 代謝なので、肝代謝型の薬です。腎機能を示す CCr に基づく減量は不適切です。選択肢 4 は不適切です。
選択肢 5 ですが
筋肉痛、脱力感などが見られるわけではなく、横紋筋融解症は疑われないと考えられます。選択肢 5 は不適切です。
以上より、正解は 1 です。
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