薬剤師国家試験 第109回 問334 過去問解説

 問 題     

58 歳女性。2 ケ月前に全身性エリテマトーデスによるループス腎炎と診断され、薬物治療を継続中である。以下の処方箋並びに検査結果を持って薬局を訪れた。

患者から体調について、最近、手足のだるさやこわばり症状があることを聴取した。

また、吐き気や下痢症状はないことを確認した。薬剤師は副作用を疑い、処方医に疑義照会したところ、対策案を依頼された。提案する事項として、適切なのはどれか。2 つ選べ。

  1. ニカルジピンの中止
  2. アトルバスタチンの中止
  3. アゾセミドの追加
  4. 塩化カリウムの追加
  5. スピロノラクトンの追加

 

 

 

 

 

正解.4, 5

 解 説     

検査値 及び 手足のだるさ、こわばり症状から 薬剤性の低 K 血症が疑われます。この原因としてニカルジピン、アトルバスタチンは考えづらく、中止は不適切です。選択肢 1,2 は誤りです。

対策案としては、塩化カリウム追加、K 保持の作用を持つスピロノラクトンの追加が適切と考えられます。アゾセミドはループ利尿薬なので、アゾセミドの追加では低 K 血症を促進させるおそれがあり、不適切です。選択肢 3 は誤りです。


以上より、正解は 4,5 です。

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