薬剤師国家試験 第109回 問331 過去問解説

 問 題     

60 歳男性。約 30 分前に胸痛を訴え、近隣病院の救急センターに搬送された。搬送時に意識障害が認められ、心拍 40 拍/分、血圧 80/50 mmHg であった。

医師はこれらの症候が不整脈に伴う心拍出量低下で生じていると判断し、アトロピンによる緊急治療を開始することにした。

救急担当薬剤師が即座に患者のお薬手帳から常用薬を確認したところ、アトロピンの使用にあたり、注意が必要な疾患に罹患している可能性が考えられた。その疾患の治療薬はどれか。2 つ選べ。

  1. チペピジンヒベンズ酸塩錠
  2. テプレノンカプセル
  3. ブリモニジン酒石酸塩点眼液
  4. シロドシン錠
  5. トピロキソスタット錠

 

 

 

 

 

正解.3, 4

 解 説     

選択肢 1 ですが
チペピジンは、非麻薬性中枢性鎮咳薬 です。アトロピンの使用にあたり、特に考慮不要と考えられます。選択肢 1 は誤りです。

選択肢 2 ですが
テプレノンは、防御因子増強薬です。アトロピンの使用にあたり、特に考慮不要と考えられます。選択肢 2 は誤りです。

選択肢 3,4 は妥当です。
緑内障治療薬ブリモニジン、及び 前立腺肥大症治療薬シロドシンです。共に抗コリン薬を使用する際に注意が必要な疾患といえます。

選択肢 5 ですが
トピロキソスタットはプリン骨格を有さない 選択的キサンチンオキシダーゼ阻害薬です。高尿酸血症治療薬です。アトロピンの使用にあたり、特に考慮不要と考えられます。選択肢 5 は誤りです。


以上より、正解は 3,4 です。

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