問 題
50 歳男性。会社員。人事異動で1年前に本社の営業課長を命じられた。しかし仕事に順応できず、ストレス、不安感及び過食が3ケ月続いた。上司のすすめもあり心療内科を受診し、うつ病と診断され以下の処方 1 で治療中である。
内服開始後、特に副作用は現れていないが、十分な効果が認められないため、医師は処方に新たに薬剤を追加して併用療法を行いたいと考えている。なお、男性は現在排尿障害を伴う前立腺肥大症で処方 2 を内服中である。
問250
この患者に対して禁忌ではなく、併用療法として用いることができる薬物はどれか。1 つ選べ。
- アミトリプチリン
- アリピプラゾール
- マプロチリン
- ミルナシプラン
- クロミプラミン
問251
前問において禁忌のため用いることができないと判断された薬物は、この患者の症状を悪化させるおそれがある。その理由はどれか。2 つ選べ。
- ドパミン D2 受容体が遮断されるため。
- ムスカリン M3 受容体が遮断されるため。
- セロトニン 5 – HT3 受容体が遮断されるため。
- アドレナリン α1 受容体が刺激されるため。
- アンドロゲン受容体が刺激されるため。
正解.
問250:2
問251:2, 4
解 説
問250
前立腺肥大治療中なので、抗コリン作用を有する 三環系・四環系薬 は禁忌です。従って、アミトリプチリン、マプロチリン、クロミプラミンは用いることができません。
また、SNRI であるミルナシプランは、ノルアドレナリン再取り込み阻害作用を有するため、α1 受容体刺激方向に作用して 症状を悪化させるおそれがあるため禁忌です。
従って
併用療法として用いることができるのはアリピプラゾールです。
以上より、問 250 の正解は 2 です。
問251
三環系・四環系薬については、抗コリン作用なので M3 受容体 遮断が妥当です。ミルナシプランについては、α1 受容体刺激が理由です。
以上より、問 251 の正解は 2,4 です。
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