問 題
68 歳男性。胸痛、咳嗽、発熱により救急外来を受診した。胸部 X 線検査で肺炎像と胸水貯留が認められ、重症細菌性肺炎が疑われたため入院となり、以下の処方 1 と処方 2 で治療を開始することとなった。
救急外来担当薬剤師がお薬手帳を確認したところ、てんかんの治療中であり、現在、バルプロ酸ナトリウム、レベチラセタム、ペランパネルを内服していることがわかった。
問248
この患者で生じる可能性のある薬物相互作用を踏まえて、薬剤師が医師に変更を提案する薬物として、最も適切なのはどれか。1 つ選べ。
- バルプロ酸ナトリウム
- ペランパネル
- レベチラセタム
- メロペネム
- アセトアミノフェン
問249
この患者で薬物相互作用が懸念される抗てんかん薬の作用機序はどれか。2 つ選べ。
- 炭酸脱水酵素を阻害して、神経細胞の過剰興奮を抑制する。
- グルタミン酸 AMPA 受容体を遮断して、シナプス後膜の興奮を抑制する。
- T 型 Ca2+ チャネルを遮断して、シナプス後膜の興奮を抑制する。
- シナプス小胞タンパク質 (SV2A) と結合して、興奮性神経伝達物質の放出を抑制する。
- GABA トランスアミナーゼを阻害して、シナプス間隙における GABA 量を増加させる。
正解.
問248:4
問249:3, 5
解 説
問248
バルプロ酸とカルバペネム系抗菌薬 (◯◯ペネム)の併用は禁忌です。どちらかを変えるとすれば、てんかん治療中で継続使用が推測されるバルプロ酸ではなく、今から使おうとしているメロペネムの変更提案が妥当と考えられます。
以上より、問 248 の正解は 4 です。
問249
バルプロ酸ナトリウムは GABA トランスアミナーゼ阻害薬です。選択肢 5 は妥当です。
また、一般的な抗てんかん薬の作用機序が Na+ チャネルや T 型 Ca2+ チャネルの遮断なので、もう 1 つ選ぶなら「T 型 Ca2+ チャネルを遮断して…」とある選択肢 3 が妥当と思われます。
以上より、問 249 の正解は 3,5 です。
参考 代表的な中枢神経疾患の治療薬
https://yaku-tik.com/yakugaku/yr-2-1-4/
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