薬剤師国家試験 第109回 問222-223 過去問解説

 問 題     

65 歳女性。高血圧症、骨粗しょう症、慢性便秘症及び脂質異常症の治療でかかりつけ薬局を利用し、処方 1 及び処方 2 の薬剤を 2 年間服用している。さらに、脂質異常症については食事療法の効果が不十分で、処方 3 を 2 ケ月前に開始した。

昨夜から全身の筋肉痛が生じているため、一般用医薬品の痛み止めを求めて来局した。昨日は、日課としている約 2 km の散歩しかしておらず、普段はその程度の運動で筋肉痛は起こらないと言う。

また、胃が弱いので内服ではなく、テレビコマーシャルで見たロキソプロフェン含有テープ剤の購入を希望している。

問222

かかりつけ薬剤師のこの患者への対応として適切なのはどれか。2 つ選べ。

  1. 処方 3 の薬剤の服用継続を指導する。
  2. 最近の尿の色を確認する。
  3. 体のだるさの有無を確認する。
  4. ロキソプロフェン含有テープ剤を使用して様子をみるように勧める。
  5. 補中益気湯の服用を勧める。

問223

この患者の筋肉の状態を知るために血液検査をする場合、注目すべき生体成分はどれか。2 つ選べ。

  1. クレアチンキナーゼ
  2. ビリルビン
  3. 乳酸デヒドロゲナーゼ
  4. ヘモグロビン
  5. 尿酸

 

 

 

 

 

正解.
問222:2, 3
問223:1, 3

 解 説     

問222

最近フェノフィブラート錠が追加されていて、いつもと違う全身筋肉痛なので横紋筋融解症が疑われる症例です。筋肉痛、脱力、しびれ、赤色尿などが初期症状として知られています。「尿の色を確認する」「だるさの有無を確認する」が妥当と考えられます。


以上より、問 222 の正解は 2,3 です。

問223

横紋筋融解症が疑われる場合は、血液検査を行って筋肉内の物質が血液に放出されていることを確認します。 筋肉が破壊されていることの指標として、CK (CPK) や AST、LDH (乳酸デヒドロゲナーゼ:乳酸脱水素酵素) 、アルドラーゼ、ミオグロビンなどの物質が用いられます。

従って
注目すべき生体成分は「クレアチンキナーゼ」及び「乳酸デヒドロゲナーゼ」です。


以上より、問 223 の正解は 1,3 です。

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