薬剤師国家試験 第109回 問214-215 過去問解説

 問 題     

65 歳女性。腰背部痛のため近隣の整形外科クリニックを受診したところ、骨粗しょう症と診断され、以下の処方箋を持って薬局を訪れた。

問214

処方薬を使用する際に、定期的に検査する必要がある項目はどれか。1 つ選べ。

  1. エルデカルシトールの血中濃度
  2. 血清カルシウム
  3. 血中 TSH (甲状腺刺激ホルモン)
  4. 血清カリウム
  5. 血糖

問215

処方されたエルデカルシトール (C30H50O5) に関する記述として誤っているのはどれか。1 つ選べ。

  1. 共役トリエン構造をもち、遮光保存が必要である。
  2. ステロイド骨格を構成する環状構造の一部が開裂した構造をもつ。
  3. C 環と D 環の結合は、trans 配置である。
  4. 本品は炭素数 30 に対しヒドロキシ基を 4 つ含み、水に溶けやすい。
  5. 標的受容体と結合する際、ヒドロキシ基は水素結合の形成に関与する。

 

 

 

 

 

正解.
問214:2
問215:4

 解 説     

問214

エルデカルシトールは、活性型ビタミン D3 誘導体です。カルシウムの吸収を促進することなどにより作用します。血中濃度測定は不要です。高カルシウム血症に注意が必要な薬です。本剤投与中は血清カルシウム値を定期的 (3 ~ 6 カ月に 1 回程度) に測定し、異常が認められた場合には直ちに休薬し、適切な処置を行うようにします。


以上より、問 214 の正解は 2 です。

問215

エルデカルシトールが「活性型ビタミン D 製剤」であることは基礎知識です。そして、ビタミンの中で D,A,K,E は脂溶性ビタミンです。これらの知識から「水に溶けやすい」わけではないと判断できるのではないでしょうか。


以上より、問 215 の正解は 4 です。

コメント