問 題
43 歳男性。身長 170 cm、体重 75 kg。双極性障害で処方 1 の薬剤を服用していた。抑うつ症状が再燃してきたため、今回、処方 2 が追加された処方箋と以下の検査値が記載された情報用紙を持って患者が来局した。
問210
バルプロ酸やラモトリギンは、どちらもグルクロン酸転移酵素で代謝される。ラモトリギンのグルクロン酸抱合体の構造として正しいのはどれか。1 つ選べ。
問211
この処方に関し、医師へ疑義照会する内容として、適切なのはどれか。1 つ選べ。
- バルプロ酸 Na 徐放錠 200 mg の投与量を、1 日 200 mg に減量する。
- バルプロ酸 Na 徐放錠 200 mg の投与量を、1 日 1200 mg に増量する。
- ラモトリギン錠の投与量を、1 日 50 mg に増量する。
- ラモトリギン錠の用法を、朝食後 2 時間以降投与に変更する。
- ラモトリギン錠の用法を、隔日投与にする。
正解.
問210:2
問211:5
解 説
問210
ウロン酸は、主鎖末端のヒドロキシメチル基 (-CH2OH) が、カルボキシル基 (-CO2H) に変わったカルボン酸の総称です。ウロン酸の代表例はグルクロン酸です。また、グルクロン酸が糖誘導体の一種であることは基礎知識です。
選択肢の中で「糖誘導体らしい構造である O を含む 6 員環」があるのは選択肢 1,2 です。そして、6 員環構造から COOH が伸びているのは選択肢 2 です。
以上より、問 210 の正解は 2 です。
問211
バルプロ酸ナトリウム併用時におけるラモトリギンの用法について知っているかという問題です。ラモトリギンは定められた用法・用量を超えて投与した場合に皮膚障害の発現率が高くなります。用法・用量では、効能・効果や併用する薬剤により投与量や増量間隔が細かく規定されている薬剤です。
バルプロ酸ナトリウム併用時は
通常、ラモトリギンとして最初の 2 週間は 1 回 25 mgを隔日に経口投与し、次の 2 週間は 1 日25mgを 1 日 1 回経口投与する。 その後は、 1 ~ 2 週間毎に 1 日量として 25 ~ 50 mg ずつ漸増する。という用法・用量になります。
従って、選択肢 5 が妥当です。
以上より、問 211 の正解は 5 です。
類題 108-306307
https://yaku-tik.com/yakugaku/108-306/
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