問 題
55 歳女性 (閉経後)。身長 160 cm、体重 52 kg。血圧 135/70 mmHg。高血圧症にて、処方 1 の薬剤を服用している。
今回、1 ケ月前よりほてりや発汗、不眠症状等があり、更年期障害を疑い婦人科クリニックを受診した。その後、以下の追加処方箋を持参して、かかりつけ薬局を訪れた。
問208
処方2の薬剤の服用開始にあたり、患者への説明内容として適切でないのはどれか。1 つ選べ。
- 下肢の疼痛・浮腫、息切れ等が出現した際は、連絡すること。
- 血圧が低下する場合があること。
- 手術前には休薬を検討する必要があること。
- 投与開始後は、定期的に乳房検診並びに婦人科検診を行う必要があること。
- 骨折のリスクが上がること。
問209
後日、同患者が再び来局し、不安やイライラが強いことから漢方薬を紹介してほしいと依頼された。この患者に加味逍遙散(注)を紹介したが、この漢方薬を長期服用する場合、留意すべき副作用として腸間膜静脈硬化症が報告されている。
(注) サイコ、シャクヤク、トウキ、ソウジュツ、ブクリョウ、サンシシ、ボタンピ、カンゾウ、ショウキョウ、ハッカから構成される処方
この副作用の原因と考えられる生薬として正しいのはどれか。1 つ選べ。なお、写真左下のスケールバーは 1 cm である。
正解.
問208:5
問209:2
解 説
問208
処方 2 はホルモン補充療法で用いられるエストロゲン製剤です。本症例では、更年期障害に対する女性ホルモン補充の意図と考えられます。
選択肢 1 は妥当です。
血栓症の可能性が疑われる症状についての記述です。
選択肢 2 は妥当です。
エストロゲンの血管拡張作用に関連した記述です。
選択肢 3 は妥当です。
血栓症のリスク軽減のため、治療上の有益性を考慮した上で休薬検討します。
選択肢 4 は妥当です。
1 ~ 2 年毎の受診が推奨されています。
選択肢 5 ですが
閉経 → 女性ホルモン減少 → 骨粗しょう症のリスク上昇 という流れをふまえれば「エストロゲン製剤投与によって、骨折リスクは下がる」と考えられます。骨折リスクが「上がる」わけではありません。選択肢 5 は不適切です。
以上より、問 208 の正解は 5 です。
問209
山梔子 (さんしし) を含む漢方薬の長期間内服 (目安は 5 年以上) で、腸間膜静脈硬化症の発症リスクが高くなることが知られています。
腸間膜静脈硬化症は、大腸壁内から腸間膜の静脈に石灰化が生じ、静脈還流障害により腸管の慢性虚血性変化をきたす疾患です。静脈硬化性大腸炎とも呼ばれます。
本問は「写真からサンシシを選んでください」という問題です。加味逍遙散の構成生薬は注に与えられており、構成生薬のどれかが写真になっているという推測で考えてよい問と思われます。
サンシシは 2 です。やや近い過去問で既出なので、サンシシを探せばいいとわかれば、判断できた人が多かったと思われます。
以上より、問 209 の正解は 2 です。
類題 106-108
https://yaku-tik.com/yakugaku/106-108/
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