薬剤師国家試験 第109回 問193 過去問解説

 問 題     

多発性骨髄腫の病態に関する記述のうち、正しいのはどれか。2 つ選べ。

  1. T 細胞が腫瘍化する。
  2. 腫瘍細胞が産生するMタンパク質は、単クローン性の免疫グロブリンである。
  3. アミロイドタンパク質が臓器や組織に沈着し、臓器障害をきたす。
  4. 骨髄細胞にフィラデルフィア染色体を認める。
  5. 脾腫が頻発する。

 

 

 

 

 

正解.2, 3

 解 説     

【多発性骨髄腫の基礎知識】
多発性骨髄腫は、形質細胞が増殖し、1 種類の免疫グロブリンを産生する疾患です。 増殖する形質細胞 (骨髄腫細胞) から産生される免疫グロブリンが M タンパク質です。


選択肢 1 ですが

多発性骨髄腫は、形質細胞ががん化して起こる血液のがんです。T 細胞ではありません。選択肢 1 は誤りです。

選択肢 2 は妥当です。
M タンパク質についての記述です。

選択肢 3 は妥当です。
M タンパク質の一部に由来するアミロイドタンパク質についての記述です。

選択肢 4 ですが
フィラデルフィア染色体は、慢性骨髄性白血病の特徴です。多発性骨髄腫の特徴ではありません。選択肢 4 は誤りです。

選択肢 5 ですが
脾腫は、脾臓が大きくなることです。白血病など様々な疾患で見られますが、多発性骨髄腫について頻発する、ということはありません。選択肢 5 は誤りです。


以上より、正解は 2,3 です。

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