薬剤師国家試験 第109回 問189 過去問解説

 問 題     

間質性肺炎に関する記述のうち、正しいのはどれか。2 つ選べ。

  1. 閉塞性換気障害のために肺活量が減少する。
  2. 原因として最も頻度が高いのは、副腎皮質ステロイド性薬の副作用である。
  3. 乾性咳嗽が出現する。
  4. 胸部聴診で呼息時にブツブツという粗い断続性ラ音が聴取される。
  5. 特発性肺線維症に対しては、ニンテダニブエタンスルホン酸塩を投与することがある。

 

 

 

 

 

正解.3, 5

 解 説     

選択肢 1 ですが
間質性肺炎では、炎症が進む → 肺胞壁が厚くなるなど変形 → 肺全体が固くなる → 肺のふくらみが悪くなる → 肺活量が落ちる という流れがおきます。「閉塞性換気障害」のため、肺活量が減少するわけではありません。選択肢 1 は誤りです。

選択肢 2 ですが
間質性肺炎の原因は色々とあるのですが、ステロイド性薬は治療薬です。従って「原因として最も頻度が高い」という記述は不適切と考えられます。選択肢 2 は誤りです。

選択肢 3 は妥当です。
間質性肺炎の主な症状は、痰を伴わない咳(乾性咳嗽)と労作時の呼吸困難です。

選択肢 4 ですが
間質性肺炎や肺線維症では「吸気」時に、パチパチという「細かい断続性副雑音」が生じます。選択肢 4 は誤りです。

選択肢 5 は妥当です。
特発性肺線維症 (Idiopathic Pulmonary Fibrosis:IPF) は、特定の原因が断定できない間質性肺炎 (特発性間質性肺炎) の中で最も頻度が高い疾患です。他の特発性間質性肺炎に比べてステロイドや免疫抑制剤に対する反応性が悪いことが知られています。ニンデダニブは、小分子チロシンキナーゼ阻害薬です。


以上より、正解は 3,5 です。

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