薬剤師国家試験 第109回 問188 過去問解説

 問 題     

72 歳男性。本態性高血圧症のために、処方 1 及び処方 2 を服用していた。最近、血圧が上昇したため、薬物による降圧療法を強化することになった。追加する治療薬として、最も適切なのはどれか。1 つ選べ。

  1. アムロジピンベシル酸塩
  2. アメジニウムメチル硫酸塩
  3. シベンゾリンコハク酸塩
  4. イルベサルタン
  5. ドキサゾシンメシル酸塩

 

 

 

 

 

正解.5

 解 説     

きちんと服薬できているのか、残薬ないのか?処方増やして意味あるのか?など気になる設定ですが、理論分野の病態なので、特にそういった点にはふれない設問です。


ニフェジピンが Ca 拮抗薬、テルミサルタンが 胆汁排泄型持続性 AT1 受容体拮抗薬です。同じ作用機序であるアムロジピン、イルベサルタンは、追加する治療薬として不適切と考えられます。選択肢 1,4 は誤りです。

選択肢 2 ですが
アメジニウムは、その他のアドレナリン作動薬です。交感神経終末のノルアドレナリン再取り込み阻害作用 及び MAO 阻害作用により交感神経機能を亢進させます。起立性低血圧や、透析施行時の血圧低下改善などに用いられる薬です。降圧療法の選択肢として、不適切です。選択肢 2 は誤りです。

選択肢 3 ですが
シベンゾリンは、不整脈治療剤です。降圧療法の選択肢として、不適切です。選択肢 3 は誤りです。

選択肢 5 は妥当です。
ドキサゾシンは、α1 選択的遮断薬です。処方されている薬物とは作用機序が異なり、追加する治療薬として適切な降圧剤です。


以上より、正解は 5 です。

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